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みんなごきげん
「ドイツ人は笑いたいとき、地下室へ行く」などとよく言われますが、これは事実ではなく悪意に満ちた偏見というものです。例えば、ケルンのカーニバルが最高潮に達する月曜日「Rosenmontag」(誤って「バラの月曜日」と訳されていますが、「Rosen」は「Rasen=暴れ回る」から来ています)を見てください。ローマ法王だのペンギンだのパイロットだの、思い思いの仮装をした見ず知らずの人たちが、抱き合いキスし合っているでしょう。居酒屋では腕を組んだ人たちが、「キャラバンは我が道を進んで止まらない。サルタン様はのどがお渇き」などという意味深長な歌詞の歌を唱和しながら、リズムに合わせて体を揺すっています。この時期の居酒屋の売り上げは、年間売上高の実に40パーセントを占め、客の血中アルコール濃度は軽く1パーミルあるいはそれ以上に達します。西部ドイツの「カーニバル(Karneval)」、南部の「ファストナハト(Fastnacht)」または「ファッシング(Fasching)」のシーズンが始まるのは、毎年11月11日の11時11分と決まっています。カーニバルファンは「第5の季節」の到来を祝いますが、カーニバルを「組織された陽気さ」と呼んで距離を置く人たちは、この時期、カーニバルのない北ドイツやベルリンへの逃避を試みます。
でもそのベルリンには、カーニバルとは違う、もう一つの有名な「組織された」大パーティーがあります。テクノ音楽に合わせて何十万というレイヴァー(Raver)たちが、「愛」をテーマに一日を踊り明かす「ラヴパレード(Loveparade)」です。それ以外のドイツのパーティーというと、“マンフレート”おじさんや“ハイディ”おばさんが集まる昔ながらの親戚のパーティーがありますが、これはできれば出席しないで済ませたいという人が増えています。それから1960~70年代のドイツでは、地下室をパーティー用に模様替えした「パーティー・セラー」なるものがはやり、日の当たらない湿っぽい空間でわざとらしい陽気さが演出されたものですが、これももう完全に時代遅れになりました。今、地下室にあるものといったら、使わなくなったレコード類や、部屋を片付けたとき出た“がらくた”の山くらいでしょう。地下室の人気が凋落したのに対して、バルコニーはどんなに小さくても、バーベキューパーティーに好んで利用されています。また最近では、階段の踊り場を使った、アパート住人のパーティーなどというのもあるようです。
サッカーファンはひいきのクラブが勝つと、試合の行われたスタジアムでそのまま祝杯を上げ、ドイツが欧州選手権やワールドカップで優勝すれば(残念ながら、最後に優勝したのはもう大分昔のことになりますが)、交通が麻痺するほどのストリートパーティーが開かれます。
バースデーパーティーでは、前日の夜にみんなが集まって“その日”の始まりを祝うやり方がいちばん好まれています。大学には、悪名高きいわゆる「新入生パーティー」があります。それ以外のパーティーは、「祝うべきことのある時に祝う」という世界共通のモットーに従って、その気になったらいつでもどこでも開かれます。
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