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|  Elena Beier(ロシア)、1991年からドイツ在住
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シングルに送る恋愛の秘訣
ドイツに住む8200万人の人々のうち約1350万人はシングルです。しかし、シングルの女性はもはや必ずしも、自分の結婚式でお祝いの歓声を上げるかつてのシングルの仲間たちに向かって花束を投げることを待ち焦がれているだけの、誰にも相手にされない同情すべき“醜いアヒルの子”ではありません。またシングルの男性も皆が皆、結婚という港にいかりを下ろすことを渇望しているわけではないのです。シャツを洗ってアイロンをかけてもらうだけなら、結婚以外の可能性もあるからです。要するに、シングルだからといって、本当に“独りぼっち”とは限らないのです。
コインランドリーでナンパ
ちなみに、孤独はシングルライフの目的ではありません。ですから、みんな恋(フラート)に精を出しているのです。それも、コインランドリー(シングルの割合が平均以上に多い場所)、デパートの食品売り場(シングルの購買力は平均以上)、交通渋滞の路上(ドライバーがシングルかどうかは、携帯の番号が書かれた「恋愛シール(Flirt-Aufkleber)」で見分けられると言われます)など至る所で……。少なくとも、多くの恋愛カウンセラーの言うことを信じるなら、好ましい相手を口説くのはいとも簡単で、ドイツではディスコやパブはもちろん、スーパーマーケットやバスの車内や路上でさえ、エロスの火花が一触即発でパチパチ飛び散らんばかりなのです。こうした恋愛カウンセラーのアドバイスは書店やインターネットで見つかりますが、それらを読むとびっくりします。「口説きたい相手に向かって口笛を吹いたりしないように!」「人に背後から話しかけないように!」「あなたがパートナー探しで絶望的になっているということを相手に悟らせないように! 相手はそれを直感的に感じ取って、あなたから離れて行きます」――。こんなこと思ってもみませんでした……。
恋愛参考書
「恋愛の初歩」「断られない口説き方」「どのようにアプローチするか」といったタイトルの本は数百冊もあり、書店の棚でほこりをかぶっています。恋の手ほどきをしてくれる「フラートスクール」もあり、自力では絶対にわからなかったことを習えます。例えば、「一夜限りの関係をもつ覚悟がないなら、セックスは当分お預けになるでしょう」とか、「別れたボーイフレンドのことを未練がましく話したりしないように。男性の自我は不安定なもの。アプローチしたい相手の男性が自信を失ってしまいます」といったことですが、読者はこうしたアドバイスが必要なほど愚かだと思われているのでしょうか? それとも、本当に愚かなのでしょうか?
どうすればよいのか
こんな“知恵”はもう要らないという人のために、ここで“上級者”向けコースに移って、私自身の経験も少しお話ししましょう。なぜなら、私もかつて他の文化圏から大量の先入観を抱えてドイツにやって来たからです。私の第1のアドバイスは、ドイツの男女間の闘争についてこれまでに聞いたことをあまりまじめに受け取らないように、ということです。ドイツ人女性は“醜いフェミニスト”ではなく、決して国民の半数を占める男性を“おろおろした弱虫”に去勢したりはしていません。つまり、あなたの“マッチョ的振る舞い”や極端に恭順な“女らしさ”が、ドイツの恋愛市場でのあなたの価値を上げるなどという幻想は抱かないほうがよいということです。そんなことをすると、誤解されてしまうかもしれませんよ。そのような“ロールプレイ”はこの国では大抵有料サービスで、この種のサービスを利用するのは男性だけでなく、女性客も増え続けているのです。
雄弁は銀、聞き上手は金
学者の説によると、人間はごく短い時間で、自分が相手を好きかどうかがわかるそうです。相手に興味をもつと、その気持ちを言葉で表現しようとします。例えば、その人がどこで育ったか、両親はどのような人たちか、その人は何を勉強しているかといったことです。相手に質問しないで、自分のことばかりしゃべっていれば、相手についての情報はまったく得られません。考えてもみてください。あなたがまだ故国にいた時、サッカーの試合は絶対に見逃さないような男の子を好きになれなかったとしたら、それはドイツでもほとんど変わらないのです。
それから、喫茶店やレストランでの支払いに関する先入観は早く捨て去るべきでしょう。もし彼が払いたがったとしても、あなたが彼にもう会いたくなければ、割り勘に徹するべきです。女性がお金を払いたがるのは拒絶のしるしと解釈されることが多いからです。あなたにも収入があり、“パトロン”を探しているのではないということは、彼との仲がもっと進んでから“女性として”彼に伝えることができるでしょう。
指輪にご注意
ついでに、もう少しお話ししておきたいことがあります。相手を束縛しないように、くれぐれもご注意ください。たとえ、彼または彼女と別々に暮らしていてもです。必ずしもすべての夫婦が死によって初めて分かたれるのではないにしても、ドイツでは結婚はきわめて重大な事柄で、離婚にはたいへんな手間とお金がかかります。要するに、彼との仲をもっと進めたいと思っても、薬指に指輪をはめるようなことはやめておくほうが賢明でしょう。
平均的ドイツ人は30代の初めまでは、結婚や子供のことをあまり考えません。ドイツが世界で最も平均寿命の長い国の一つであることを思えば、これも不思議ではありません。すでに「Lebensabschnittspartnerschaft(人生のひとこまを共にする関係)」という新しいドイツ語までありますが、これは現実を的確に表現していると言えるでしょう。まして学生なら、“人生の真剣勝負”はもっと先に延ばして、まずは若さと自由、そして恋愛を満喫してはいかがでしょう。
Elena Beier
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