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|  Ana-Maria Tighineanu(ルーマニア)、1999年からドイツ在住
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ドイツ風「時間厳守」
ドレスデンで学生生活を送れば、ドイツの暮らしのイメージをはっきりした輪郭で描くことができるようになります。私の場合、イメージは頭と心の中で少しずつ、ちょうどパズルのように出来上がってきました。そして、このイメージは常に変化しています。ドイツの暮らしが快適だということは、皆さんもよくご存じでしょう。でも、本当に私の好奇心をかき立て、故国の友達にとっても面白くて興味深いものというと、それはドイツ人のメンタリティーを実際に体験し、それをドイツ人についての紋切り型のイメージと比較することでした。ドイツ人は本当に冷たく打算的で閉鎖的なのでしょうか。また実際にどの程度、時間に正確なのでしょうか。
各国語であいさつ
当時はまだケルンにあった国際放送局「ドイチェ・ヴェレ(Deutschen Welle)」で実習をした時、私はドイツ人についての型にはまったイメージの多くを否定する経験をしました。親切や好意には至る所で出合いました。それは編集室や社員食堂だけでなく、エレベーターの中でさえそうでした。エレベーターに乗ると、世界各国の言葉で愛想よくあいさつされるのです。もちろん、ドイツ語でもあいさつされます。ドイチェ・ヴェレは礼儀正しくて多文化的な環境なのです。そして、時間にも正確です。
食事をしたりコーヒーを飲んだりしながら雑談するために地階の食堂やカフェテリアに行く時、エレベーターは時間ぴったりに下りていきます。ところが悲しいことに、放送スタジオへ行かなければならない時は、何分待ってもエレベーターが来ません。エレベーターの前をうろうろ、おろおろしている人の気も知らないで、8基あるエレベーターのどれひとつとして私を乗せるために扉を開いてくれないのです。ドイチェ・ヴェレのスタッフはこんな状況で、なぜ平気でいられるのでしょう? それは、長年の間に対処法を学習したからです。彼らは単に、早めにスタジオに向かっているだけなのです。放送開始時刻の15分も前であることも珍しくありません。でもそんなことをしたら、ニュースはもうそれほどアクチュアルではなくなってしまいます。15分の間に、世界ではさまざまなことが起こりうるのです。でも、早めにスタジオに向かえば、時間どおりに放送を始められます。
アクチュアルな内容の放送をするために時間ぎりぎりまでパソコンに向かっていれば、放送開始直前に数階の階段を駆け下りる羽目に陥り、少し息を切らしてリスナーに語りかけることになります。もしかするとリスナーは、この哀れなスタッフは何週間も前から気管支炎を患っているようだが、まだ治ってないのか、と思うかもしれません。それでも、こうすれば時間にも間に合い、アクチュアルな放送もできるのです!
時間厳守 - 「ドイツ鉄道」の場合
ドイツのトレードマークとも言える「時間厳守」とは、どのようなものなのでしょう。ある企業内コミュニケーションセミナーで参加者の一人が、ドイツ人に典型的だと言われてきた時間厳守は今はどうしてしまったのか、と質問したことがありました。セミナー主催者以外、ほとんど全員がセミナーに遅刻したからです。もう1つ、「ドイツ鉄道(Deutsche Bahn = DB)」の例を挙げましょう。先月私は、欧州や北アフリカで使える鉄道パス「インターレイルパス」を利用して、ドイツ鉄道のサービスを広範囲に体験する機会を得ましたが、定刻運行に関する経験はショックなものでした。遅れなかった列車はほとんどなかったのです。何度も乗り換えなければならない場合、これは悲劇的です。すでに最初の接続列車に乗り遅れてしまい、後はドミノ理論よろしく、接続列車をことごとく逃してしまうことになります。こうなったら、とにかく次の列車を待つよりほかはありません。
とはいえ、ここで別の美徳が効力を発揮します。それは、親切で協力的な鉄道職員です。そして私の最大の発見は、(ドイツ人の)乗客が列車の遅れを実に忍耐強く冷静に甘受していることでした。その姿を見ているうちに、私は彼らに一層好感をもつようになりました。
Ana-Maria Tighineanu
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